この歳になってくると、自己啓発書やセミナーに参加したときに「あーそれ知ってる知ってる」となることがあります。なので、新しい情報というよりは、どこかで聞いた話を復習しているような錯覚に陥ることが多々あります。で、こう思うわけです。「なんだ、他も大したことないじゃん」と。
僕が本業で行なっている運用型広告の世界では、運用の理想像と実際の現場がかけ離れていることが少なくありません。
例えば、お客さんの訪問にいったときに上司が出てきてこんなことを言ってきます。
「おたく、、クリエイティブの差し替え頻度についてどう考えてるの?もっと頻繁にやりたいんだけど全然提案ないよね」
基本的な考え方として、クリエイティブの差し替え頻度は期間ではなく、実数値に基づいて判断し、差し替えを行うのが理想です。要は、2週間回すのではなく、クリック数が○○回までいったときに判断する、という感じですね。
で、そんな質問を受けたときに返答としてはこういうケースが多いです。
「はい、本当であればとっくに結果が出ているので差し替えたいのですが、御社でボールを持ったまま新しいクリエイティブがもらえない状態がここ2ヶ月続いていて困っています」
「・・・」
つまるところ、頭でやるべきことは理解していても、それを実行するにはそれなりのパワーがいるわけです。ましてや、それを継続することは相当に難しく、得てして上司と現場の認識が食い違って炎上するケースが多いのはこういうパターンです。
なので、理想像でなくとも、しっかりと無理せず期間で区切ってPDCAを回している企業の方が、理想像でグダグダ言ってやらない企業よりもよっぽど成果が出るということになります。
SEOにしてもあるあるで、お客さんが「全然順位上がらないじゃん。俺が目指してるサイトはこうなんだけどさ・・・。やってて意味ないと思うんだけど、君どう考えてるの?」と言われたときに、「いや・・・初期に出した施工書実装してないですよね、施策を行わないから順位が上がってないってだけですよ」というケースは非常に多いです。
個人の話にしてもそうで、壮大な計画を頭の中で描いていても、結局実行しなければ存在しないのと一緒で価値0なわけです。
実行できただけで他の人よりも進むことができる
去年なんかは仮想通貨がまさしくそうで、色んな人に仮想通貨はマジですごいからやった方がいいよ、と進めたわけですが、その中で本当に買った人はごくわずかでした。
しかも買った人も、ほとんど勢いが終わりかけのタイミングでちょろっと買う程度で、今年には入って暴落したタイミングで「やっぱあまり突っ込まなくてよかったわ、あぶねー」とか言ってるわけです。
でも、僕からしたら仮想通貨を買い、そのクラスタの情報を毎日追うことで新しい世界が開け、そこから派生した情報でまた新たな情報を得ることができ、表面上ではプラマイ0の利益だったとしても、それ以上に得られた価値は大きかったと思っています。
ちなみに、知り合いで会社の役員を務めている優秀な人がいるのですが、その人は仮想通貨の話をしたら次の日には購入していて感動しました。こういう人が信頼を勝ち得、ノウハウを得て成功するのかと実感した瞬間です。
つまるところ、何かに向けてチャレンジをし、悩み、失敗したとしてもそのプロセスの中で経験値は確実に入ってきており、見かけの結果以上に前進しているという実感があるわけです。
これ別にバカにしているとかではなく、低所得層に格安SIMを勧めても乗り換えてくれないんですよね。彼らは理解できないし、面倒だからやらない。
格安SIMを利用してくれるのは、「無駄金を使わない」という意思決定ができる、ある程度リテラシーが高い層。— イケハヤ@YouTube登録13万人 (@IHayato) May 21, 2018
これもそうですが、格安SIMってマジで安いらしいし、乗り換えよっかなーと思う人はいても、実際に乗り換えてる人って周りを見てもそんなにいないんですよね。なぜなら現状を変えるのはエネルギーがいるからです。
だからこそ、実際に格安SIMに変えた人の体験談はたくさんの人に読まれるし、情報格差が生じて、そこにお金が発生します。
まとめ
最近、同じ会社の子で自信がないとか、別の会社で頭でっかちな新人が多くて困る、みたいな話を聞く機会があったので、自分の思考を整理するために書いてみましたが、共通して言えるのは、知識はあるから批判はできるけど、やったことがないから力がつかない、というところだと思ってます。
堀江さんの本にも書いてましたが、どんどん手を出してすぐ飽きてもいいし、失敗してもいいからやればいいと思うんですよね。意外とそれを繰り返すうちに、周りのプレイヤーがどんどん少なくなって、自分の希少価値が上がっていくように思います。
その繰り返しこそが、人を成長させるんだなーと思いました。自分への戒めも兼ねて、今日はこんなところで。
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