ブックオフにいって、古本を二冊買ってきたのだけど、二冊とも見事に当たりでした。そのうちの一つがこれ、「月3万円ビジネス」です。著者は藤村靖之さんという方で、非電化工房というアトリエを経営されています。発明家、なのか?
もともと、伊藤洋志さんの「ナリワイをつくる」という本が好きで、それから派生して「0円で空き家をもらって東京脱出!」も読んでいたのですが、ナリワイの本で紹介されていた本であり、いつかは読んでみたいと思っていました。
内容としては、月にあえて3万円しか稼げないビジネスをする、という内容で、本文から引用するとこんな感じです。
「月3万円ビジネス」というのは、月に3万円しか稼げないビジネスのことです。いいことしかテーマにしません。このビジネスはたくさん有ります。なにしろ月3万円しか稼げないので、脂ぎったオジサンは見向きもしません。つまり、競争から外れたところにあるビジネスなのです。
引用からわかるように、バリバリ儲けることを目指すというよりは、社会のためや、自分の心が豊かになるような生き方の指南書に近いような気がします。具体的な内容は、鶏を飼って卵を売るとか、便所用の水道代節約のための設備を作って売るとか、だいぶアナログなものばかりなのですが、その絶妙なアイデアにはかなり驚かされます。あと、全体的にどちらかというと都会よりも田舎に住んでいる人の方が実践しやすい内容になっています。
資本主義社会の中で、分業化が進んだ結果、たしかに経済は発展しましたが日本人は何もできない民族になってしまい、欲しいもの、必要なものはすべて金で解決するようになりました。そうなると、必要以上の金を稼ぐ必要が出てくるし、本来自分でできることを知らずに金を払っていることがいかに多いか気づかされます。
本書は、技術が進み、グローバリゼーションが進んだ今だからこそ、人と人の繋がりを復活させ、豊かに生きる術を説いています。僕は本当にここ最近、都会に住むことのメリットや、仕事とはなんだろうと考える機会が多いのですが、その答えの一つがこの本に書いてあるような気がします。本来、幸せになるために働いているはずなのに、それが実現できないのはなぜか、そもそも商いとは何なのかがこの本を読んでわかったような気がしますので、一度、読んでみることをお勧めします。
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