今月から事業会社のWeb担当として働いているわけですが、早くも入社して3週間が経ちました。
現状の経過としてはまずまずといった感じで、これまでのWeb広告の知識を活かしつつ、事業会社で働くにあたっての考え方を学び、実践しているところです。
Web広告代理店から事業会社に入りたい人は結構いると思うので、実際に大手事業会社に入った僕が最初に感じていることを書き連ねてみたいと思います。
事業会社で働く上で大切なこと
その事業が好きか、ビジネスが好きか
3週間とまだ短い期間ではありますが、毎日かなり刺激を受け、楽しく働いています。幸いにして、僕が働いている会社は規模が大きく、ITリテラシー、ビジネスリテラシーの高い人が集まっています。
今後働く上で大事になってくるのは、まず入った企業の事業や理念に共感し、のめり込んでいけるかどうかだと感じています。
前職で大手飲料メーカーのWeb担当の方と話したことがありますが、入社して10年間ほど同じ商品(ブランド)を担当していたそうです。
事業会社で働くと自分の商品が限られてしまうため、その商品が好きではないとしんどくなってきます。商品が提供する価値や、社会的な意義があるかどうか等、自分がプロダクトに共感できるかどうかは重要だと思っています。
また、Web広告代理店から事業会社のWeb担当になる場合は、基本的にマーケポジションになるかと思いますが、そもそものビジネスリテラシーがあることが大切だと感じています。
つまり自分のプロダクトがビジネス上どういうフェーズにあって、どのようにしたら利益が最大化できるのかを因数分解して考えられるかどうかが大切です。
そうしないと、ただのオペレーターになってしまうので、バリューが出しづらいのと同時に、アウトプットがずれてしまいます。
僕だけかもしれませんが、Web広告代理店だと集客の最前線のところのみしか携わらないため、利益の最大化、という点はどうしても身に付きづらいように感じています。
CVを上げればいいわけではないと理解する
最初にウェブ広告のアカウントを渡されて、とにかく改善してくれ!と丸投げ状態だったのですが、過去のCVクエリを見直していると、可能性のありそうなキーワードが登録されていない・・・。
早速追加をしてそのキーワードからCVが上がってきたので喜んでいたところ、利益が上がるまでのプロセスのとある地点で指標が悪化してしまいました。なんでだ!と見返していたところ、どうやら追加したキーワードは売上に繋がりづらい、質の悪いリードを取ってしまうキーワードでした。
前職で粗大ごみ回収のクライアントを担当していたのですが、ビジネスモデル上、大量にゴミを回収したく、例えば「タンス 回収」というキーワードで入ってくるよりも、「ゴミ屋敷」でCVを獲得した方が客単価が全然異なるため、CPAが多少高くでも取りに行きたい!なんて話がありました。
これはまさしく事業のビジネスを理解した上での立ち回りであり、事業会社で働く以上、こうした視点は早々に身につける必要があります。
そのため、ときには予算内で最大の利益を取りに行くためにCVが上がっていても、質の悪いキーワードは除外登録を行うときすらあります。自分の集客が最終的に受注まで繋がったかわかるからこそ、打つべき施策が変わってくるということです。
逆に、事業の状態としてリードが足りなければ解放し、1件でもリードを多く取りに行きます。キーワードごとにモチベーションが異なるため、管理画面上のCPAはあくまで参考にすぎず、そのあとの工程をキーワード単位で分析して、良し悪しを判断しています。
スペシャリストからジェネラリストへ
これまではWeb広告のスペシャリストとして、集客の一部を得意としてやっていましたが、Web担当として働くためには、当然受け皿となるサイト側の回収も積極的にやっていかなければいけません。
僕が働く会社はエンジニアやデザイナーもいるので、彼らとコミュニケーションを取り、最小の工数で最大の効果を挙げられるよう、効果検証をしていく必要があります。
その場合の前提となるディレクションスキルや、プログラミングに関する知識等、覚えなければいけないことは山のようにあります。あとは、お金を使わずに集客するにはどうしたらいいのか等。SEOもそうですね。
ビジネス側の知識とITのさらに広い知識の双方が求められるので、非常に大変ではあるものの、マーケとしてのスキルを磨くには最高の環境だと思っています。
量から質を追い求める
代理店自体は当然広告の運用品質、みたいなところは追っていたものの、日々膨大なアウトプットを求められていたので、そこそこの深さの情報を素早く顧客へ共有する、といった働き方をしていました。
そうなると、いかに早くタスクをこなすか、という点は強化できるものの、数値から正しく状況を理解し、精度の高い計画を立てる、みたいなことはなかなか見に付きづらい印象があります。
最初苦戦したところもそうで、分析のために使うエクセルスキルやその前提となる、各指標の因数分解、みたいなところはなかなか頭に入ってきませんでした。
まあ、エクセルスキルはあくまでツールの使い方なので、多少触っていけばなんとかなりますが、数多ある変数を自在にこなして、予測を立てていくのはまだまだ修行が必要そうです。
まとめ
というわけで、初の事業会社で苦戦しつつも、興奮の連続で楽しく毎日過ごしている今日この頃です。
事業会社に入ろうとしている人は、業態にもよりますが、下記の本がマジでおすすめです。MAツールマルケトの社長が書いた本ですが、因数分解の話等、まさしく業務でやっていることがまんま出てきており、マーケの教科書として熟読しております。
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